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Books worth reading 2018.

大学を卒業して仕事をはじめ、並行する形でANTIQUERをスタートした2018年。そういえば何を読んだっけ、と振り返りながら、心に残った5冊を紹介。

 

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私の名前はルーシー・バートン/エリザベス・ストラウト

ルーシー・バートンの入院が予想外に長引いたとき、彼女を見舞胃にやってきたのは、疎遠だった田舎の母。その他愛ない会話が、思いがけず大切な思い出となる。湧き上がる感情と、その背景にあるストーリー、子供時代の苦い記憶や大人になった日々の出会いと別れを、ふたりのゆるやかな会話を起点に描く。

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水やりはいつも深夜だけど/窪 美澄

なんでもなさそうな普通の家庭の、内側に潜む現実を生々しいほどに忠実に描いた作品。周囲の目を極度に気にする、目の前に突然現れた他者を警戒する、募る不安に押しつぶされそうになる。降りかかって欲しくはないけれど、何食わぬ顔で私たちのそばに在りそうな、いくつかのストーリー。

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ストリートの精霊たち/川瀬 慈

こてこての人類学に嫌気が指して、イメージや音を用いた話法の探求という映像人類学に惹かれて手に取った一冊。エチオピア・ゴンダールのストリートを舞台に、娼婦や物乞い、吟遊詩人たちの生き様を独特の言葉で描く、映像人類学者の作品。

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「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済/小川 さやか

「私たちは・・・<今ここ>の喜びを犠牲にして、<いつかどこか>という超越的な場所で時間を消費し生きるように強制されている。

いつかやってくるかもわからない不確実な未来にひたすらに投資し、今この瞬間を必死に消費し犠牲にする生活に疲弊した私たちに向けて、その日暮らし<Living for Today>を続けるアフリカ都市民を人類学的に分析した一冊。学術書ほど堅苦しくなく、肩の力を抜いて読み進められる。

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子どもたちの階級闘争―ブロークン・ブリテンの無料託児所から/ブレイディみかこ

「政治は議論するものでも、思考するものでもない。それは生きることであり、暮らすことだ。」

エスニシティの問題に立ち向かう社会コミュニティを学士論文で扱おうと決意したきっかけに、英国移民で保育士、一児の母として生きる女性の痛烈なレポートがある。社会底辺に生きる人々と、遠くて近いヨーロッパ政治を斬新に描く。罪なき子どもたちを目の前に、その希望と絶望をテンポ良く語る様から、どこか元気がもらえる。

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